「アクセル様、あの・・・」
「なんだ、人形。用があるならハッキリ言え」
「あの・・・アイスというものを食べたいです」
「誰からの情報だ」
「ピート」
「仕方がない。レモン、アイスだ」
「あらあら冷凍庫にあるわよ?いってらしゃい」


一つの棒状のアイスを膝でバキッと折る音にw00は肩を震わせた
沢山の経験をしてほしいというのがアクセルやレモン、二人の考えであった
成長促進剤のお陰で体はスクスクとと成長し外見上18ぐらいだがまだ精神面で成長しきっていないのだ
将来的にwシリーズを纏めていく人物として育てる、という名目でアクセルは世話係を押し付けられていた
レモンは他のwシリーズの躯体の整備で忙しいそうにしている
とは言え、一番溺愛しているのはレモンであった

アクセルが何も言わずにアイスを差し出すとw00は嬉しそうな顔をしソレを受けとった
初めて触れる感覚や冷たさに興味津々といったところか

「冷たいですね」
「当たり前だ。アイスは凍っている」
「・・・そうですね」

そこでぱったりと会話が途切れてしまった
冷たくしすぎたか
アクセルは内心後悔していた
まさにその時であった
ネバーランド内に警報が鳴り響いた
ハッと同時に顔を上げ、ドアの方を振り向くと既に”奴”がいたのだ

「・・・貴様、何処から入った、ベーオウルフ!」
「・・・・・・さぁ、な?」
(w03は何をしている!?何故来ない!?)
「ほう、俺のいない、ときに、なにしてるんだ」
「・・・え?」

刹那
距離を詰められアクセルは組み伏せられていた
元々少し溶けていたアイスが地面に飛び散った


「貴様に、会いに来た、だけだ」
「・・・っ!は、離せっ!」
「断る、ただ、会いに来ただけだと、言ってるだろう?」

俯せに倒れされたアクセルにベーオウルフはバックから噛み付いた

「・・・ふぅ!ん゛んっ!・・・あ、・・・・ぅ」

噛み付いた、という表現が正しいほどの絡み付くようなキスにアクセルは酸欠気味になっていた
その光景をw00は冷静に見ていた
この二人の関係を”認識”していたのだ
アクセルは気づいていないかもしれないがシャドウミラー内で知らないのはレモンぐらいではないだろうか


両者の唇から銀糸が垂れ、やがて途切れた
アクセルは腰が砕けたようでそのまま地面に落ちるように倒れてしまった


「会いに、来た・・・だけだ・・・」
「・・・はぁ、ぁ・・・ふ・・・」
「・・・帰る」

流れるようにフッと立ち上がったベーオウルフとw00は目が合ってしまった
”これは俺のものだ”という意味を込めた笑い
その笑いに対してw00は普段アクセルやピートには見せないような目でベーオウルフを睨みつけた
”この人は、俺のアクセル様だ”という意味を込めて
スッとすれ違い背後で気配が消えたのを確認しw00はアクセルの元へ走った

「・・・アクセル様・・・」
「・・・所定の位置に、戻れ・・・」
「・・・・・・拒否します」
「・・・?」

普段と違う強い口調のw00に違和感を覚えたアクセルは恐る恐るゆっくりと顔を上げた
アクセルの見たことのない目
完璧に欲情している目であった

「・・・貴様、・・・はぁ、ん・・・何を考えている・・・」
「何でしょう、解りません。教えてくださいアクセル様この感情は・・・何なんですか?アクセル様、アクセル様」

先ほど貰ったアイスを手にし、フラフラと歩きだした












「や、やめろっ!w0ぜ・・・あ゛ぁ」
「アクセル様、痛いはずないでしょう?よくこういうこと、してるんだから”奴”と」


冷たいモノが、しかも馴らしていないのに無理矢理入り込んで来る感覚にアクセルは悲鳴を上げた
ぷつりと両者の理性切れる音がした

「・・・っ!アクセル様、アクセル、様」
「はぁ!ふ、あぁぁ!!つめた、や、やぁ!!」
「アクセル様、垂れてきて・・・しまいます 押しますよ」
「ばっ!ひゃぁぁぁ゛!!ソコ、や・・・がぁ!」

ぐぐぐと奥に押し込まれる
いいところを突き、感じてしまう
先走りがダラダラと垂れるソレをw00は片足を持ち上げ口に含んだ

「ひっ!はぁああああぁぁぁぁ!んんっ!んぁぁ゛ぁ゛」
「アクセル様、犬みたい・・・ふっ!んっ・・・はぁ、はぁ」
「うるさ・・・い黙れぇっ!あ、ぁぁぁぁ゛」
「アクセル様、アクセ・・・ル・・・さ・・・ま・・・、ん」
「離せ・・・で、・・・る・・・あ、あ゛ぁぁぁひゃぁぁぁ!!!!」
「アクセル様ぁっ!ふ・・・・アクセ・・・」

目の前が真っ白になり、二人の意識は飛んだ


















「気がつきましたか?隊長」

何処かで聞いたような声で薄らと目を開いた
服などは整えられていたが、部屋はそのままであった
声の主、w03はw00を抱えアクセルを覗き込んでいた
よく見るとw00の目元が赤い
来るのが遅い、と心の中で呟きつつ起き上がった
身体の節々が痛い
大分疲労感が残っている

「何があったかは聞きませんが、お気をつけて」

淡々とした口調でw03は立ち上がりw00を抱え直す

「・・・貴様は本当に人形だな、w00とは違う」
「自分は兵器です。ですが、我々の長、w00は違う」
「・・・」
「w00は、完璧な人間になりたいようです」

聞けば子供のように泣きじゃくっていたそうだ
”おれだって人間なんだ、アクセル様を愛する権利があるんだ”と

「w00はおれが運ぶ。この部屋の後片付けをしろ」
「了解」

w00を受け取り、一度も振り返らず歩きだす


ああ、貴様は”人間”になりたかったのか
貴様はそんなことをしなくても、おれ達の家族であるのに
w00の頬にひとつキスをした